取れた金属の中が虫歯になっていた!?!

投稿日:2017年12月12日

カテゴリ:大人向けの歯のお話

今まで接着剤でつけてあった金属(詰め物)が突然取れて、慌てて歯科医院に行った経験ある方多いのではないでしょうか。

 

その時に「詰め物取れた歯が虫歯になっているので、もう一度虫歯の部分を削って金属を新しくしますね」というような説明を受けたのでは??

 

もちろん、金属が外れた=虫歯になったから、ではありません(他にも理由があります。後述します)。

 

でもこう思いませんか?

 

“金属を接着剤でつけたのに、どうして金属の中が虫歯になるの?”

 

今日はこのことについてお答えしますね。

 

 

まず初めに行っておきたいのは、セラミックやゴールドを使った保険外の詰め物では、治療後にその中に虫歯が再発するということは、あまり当院ではありません

 

言い換えれば、保険の金属は材質的な問題によって虫歯の再発がよく起こるということです。

 

保険の金属は色々な金属の合金ですが、その約半分が銀です。

 

この銀がよくありません。

 

磨き残しなどが金属の周りに長期間付着していることで金属が腐食していきます。腐食すればするほどその部分に汚れがさらにつきやすくなります。そしてその結果、虫歯になります。

 

他にも硬さも問題があります。

 

硬すぎるのです。

 

食事で咬むとき、その咬む力を吸収しきれなくて金属のふち(辺縁)がたわむ(浮き上がる)ような力がかかります。

 

1日何千回も咬みます。咬むたびにそのような力がかかるわけです。

 

その結果、ある日突然外れてしまいます。

 

 

外れない金属は大丈夫という“誤解”

 

ここまでで書いたように残念ですが、保険適応の金属には性質上の限界があります。

 

ですが我々歯科医師は、できる限り金属が外れないように努力をします。工夫をしています。

 

削り方によって金属の外れやすさは全然違います。

 

つまり取れにくいように外れにくいように、考えて削っています。

 

「虫歯の大きさの割には金属の部分多くない(大きくない)?」と感じたことありませんか?

 

こういう疑問を持たれた方への解答が上に当たります。

 

特に保険の金属は虫歯の再発の可能性が高いので、あらかじめ虫歯になりやすい部分を削ることもあります。

 

簡単に外れないように、敢えて形を複雑に削ることもあります。

 

患者さんの口の中全体の清掃性(磨き残しの量)を見て、時には掃除がしやすい形にすることもあります。

 

これは歯科医師の考えなので、削り方(削る量や数る形など)は千差万別です。

 

※だから削った歯の模型を5~10個並べられても、どれが自分が削った形のものかおそらく分かります。たぶん美容師の皆さんもカットしたマネキン人形並べられても、どれが自分がカットしたものか分かりますよね?

 

話がそれましたが何が言いたいかというと、例えば10~20年外れずに問題なく使えている金属が口の中にあったとしても、その金属が本当に問題が無いのかは分からないということです。

 

中が虫歯になっていても、歯科医師の先生が簡単に外れないようにと考えて削って下さったから、外れずにいるということも、実は少なくありません。

 

事実保険の金属の寿命(再度虫歯になる平均年数)は5~6年というデータもあります

 

「金属がすぐに外れた」となると患者さんとしてはマイナスイメージを持たれると思います。

 

「あそこの歯医者、大丈夫?」と。

 

外れることがよいとは思いませんが、逆に外れないことがよくないことも少なくないことも、ぜひ知っていただけたらと思います。

 

僕には尊敬している先生が何人もいます。

 

虫歯治療で尊敬する先生は以前こんなことを言っていました。

 

“自分自身が虫歯治療を受ける時は、金属はゴールドを使う。そして接着剤でしっかり着けずに、あえて仮着けにする”

 

仮着けとは我々は仮着(かちゃく)といい、金属をあえて少し弱めの接着剤でつけることもあるんです。

 

目的は実際患者さんにその金属を日常生活で使ってもらい、お互い問題無いかを確認取るためです。

 

・色や形、見た目は大丈夫か

・食事で咬んだ時問題無いか

・痛みは無いか

 

などを確認して大丈夫となったら仮着を一度外して最終的な接着剤でくっつけます。

 

つまり敢えて何かあったら外して色々な対応をしやすいようにするのが仮着だということです。

 

その先生が仮着する目的は、定期的に金属をあえて外して歯が虫歯になっていないかを確認するためです。

 

保険の金属に比べて圧倒的に虫歯になりにくいゴールドの材料を使い、それでも虫歯になっていないかを確認する・・・・・

 

これも1つの考えだとボクは思います。

 

これを正しいと思うかは人それぞれですが。

 

でも金属の中は残念ですが目では見えません。

 

だからこそそういう部分が虫歯にならないようにすることを、我々歯科医療従事者は考えなければなりませんし、患者さんにもぜひそう言う関心を持っていただきたいと思います。

 

 

今日はこの辺で。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。

 

今日は少し難しかったでしょうか。。。