予防歯科
「虫歯・歯周病を未然に防ぐ」わだち歯科クリニックの予防治療
予防医療は、虫歯や歯周病の発生を未然に防ぐ治療領域であり、わだち歯科クリニックではこの分野に特に注力しています。
最近、日本でも歯科先進国と同様に虫歯や歯周病の予防に対する意識が高まっています。
患者様の天然の歯を一生涯維持できるようにサポートし、口腔健康の維持に尽力しています。
ここで、当クリニックの予防治療の体制について詳しくご説明します。
① 歯科予防の専門家「歯科衛生士」が充実
歯科衛生士の役割は、虫歯や歯周病の予防治療を主に担当しています。
歯科医師と同様に国家資格を有し、歯科衛生士の学校や大学で特に予防と歯周病治療に関して専門的な教育を受けています。
当院では、このような予防治療のエキスパートである歯科衛生士が9名(2024年4月時点、パートスタッフ含む)在籍しており、患者様に対して細かな予防歯科治療や指導を行っています。
② 二つの異なるタイプのスケーラーを活用して汚れを徹底除去
二種類のスケーラーを使用した清掃法では、歯の表面に付着した歯垢や歯石を効果的に取り除きます。
歯科医院で用いられるスケーラーには、「超音波スケーラー」と「ハンドスケーラー」という二つの種類があり、それぞれ特有の利点があります。当院では、これらのスケーラーを状況に応じて適切に使用しています。
超音波スケーラー
これは超音波の微細な振動を利用して、歯の表面の広範囲にわたる歯石や歯垢を迅速に除去します。
手動ハンドスケーラー
手動で操作するため、超音波スケーラーより時間がかかることがありますが、歯と歯の間など細かい部分の汚れも丁寧に取り除くことができます。
歯科医院との適切な関わり方
歯が痛くなるまで待ってから歯科医院を訪れると、治療によって歯を削ることが多くなります。
そのため、治療をできるだけ少なくするためには、定期的に歯科医院を受診し、予防処置を受けることが重要です。
わだち歯科クリニックでは、単に院内での歯のクリーニングではなく、食事・ストレス・仕事など虫歯のリスクをもたらす様々な要因についてカウンセリングし、適切な生活習慣の指導を行っています。
歯科先進国と日本の対比
北欧諸国やアメリカなどでは、歯や口腔の健康に対する関心が高く、定期的な歯科健診が一般的な習慣となっています。
予防歯科が特に発展しているスウェーデンでは、成人の定期健診受診率が約90%、子供では100%に達するという統計があります。
これに対し、日本では定期健診の受診率が10%以下と、他の先進国に比べて非常に低い水準です。
歯科先進国では「予防する」という考え方が根付いているのに対し、日本では多くの人が「悪化してから治療する」という傾向が見られます。この意識の違いは、80歳時の平均残存歯数にも影響を及ぼしており、一人ひとりの意識改革が、より多くの天然歯を維持するためには重要と言えます。
歯科医師への認識の違い
出典:ライオン株式会社HP「歯磨き・歯科診療の新常識は『予防歯科』」
スウェーデンなどの歯科先進国では、子供の口腔ケアに対する歯科医師の指導が出産前から始まり、子どもの歯が生え始める時期から定期的な歯科健診が義務化されています。
予防が日常的な習慣になっているため、積極的な治療、特に歯を削るような処置が少なく、「痛い」「怖い」といったネガティブなイメージがほとんど存在しません。
このような歯科医院や歯科医師へのポジティブなイメージが、予防歯科の普及に大きく貢献していると言えます。
予防を習慣にすることで治療費を削減し、天然歯を長期維持
以下の図は、日頃から定期健診やクリーニングを受けて予防を習慣とする人と、痛みを感じた時のみ治療を受ける人の生涯治療費と歯の状態を比較したものです。
(出典:日吉歯科診療所調べ)
定期健診やクリーニングは費用がかかるように感じるかもしれませんが、実際には痛みを感じてからの治療を受ける人よりも長期的な治療費を抑えることができます。
さらに、虫歯の悪化を未然に防ぎ、早期に対応することで、天然歯をより長く維持することが可能です。
したがって、若いうちから予防に取り組むことが、治療費の削減と天然歯の長期維持に繋がります。
天然歯を維持することで将来のオーラルフレイルを防ぐ
加齢に伴う体の機能の衰えは避けられない事実ですが、特に注目されているのは「オーラルフレイル」と呼ばれる口腔機能の低下です。
これは、噛む力、飲み込む力、話す能力の低下などを引き起こし、栄養不足や社会的な孤立など、身体と精神の両面に悪影響を与える可能性があります。
このような状態を避けるためには、天然の歯をできるだけ長く維持することが大切です。
天然歯を失う原因となる虫歯や歯周病の予防に努め、早期に歯を失うリスクを減らすことが重要です。
年を取っても健康な口腔機能を維持することで、オーラルフレイルのリスクを減少させることができます。
単に歯磨きをするだけでは虫歯や歯周病を完全に防ぐことは不可能
よく「歯を磨かないと虫歯になる」と聞かされて育ちますね。
確かに、日々の歯磨きは非常に重要ですが、それだけでは虫歯や歯周病を100%防ぐことはできません。
その理由は、歯磨きだけでは取り除けない特定の汚れ、バイオフィルムが歯に付着するからです。
バイオフィルムは頑固な汚れ
バイオフィルムは、キッチンの三角コーナーに付くヌメリに似ています。
毎日掃除しても、気がつけば再びヌメリが形成されています。
同様に、歯を毎日磨いても、時間が経つと歯にバイオフィルムが付着します。
歯ブラシでは完全に取り除くことができず、放置すると硬い歯石に変わります。
この歯石は、虫歯や歯周病の菌にとって隠れ家となり、歯ぐきの炎症や歯の腐食を引き起こす原因となるのです。
未処理のバイオフィルムが引き起こす問題
バイオフィルムのリスクバイオフィルムには多数の細菌が密集しているため、それを放置することは虫歯や歯周病の進行の大きな原因となります。
そのため、特に重要なのが歯科医院での定期的なクリーニングです。
歯科医院でのクリーニングでは、バイオフィルムだけでなく、歯垢や歯石も徹底的に除去することができます。
2〜3ヶ月に一度の定期的な受診で、歯の健康トラブルを大きく減らすことができるのです。
習慣の改善により口腔トラブルを予防する方法
歯と口腔の健康を守るためには、日常のセルフケアと定期的な歯科健診に加えて、生活習慣の改善も非常に重要です。
ここでは、特に注意すべき習慣についていくつかのポイントを紹介します。
間食を控える
間食の制限スナックや食事を間食として頻繁に摂ると、糖分が長時間口内に残り、虫歯菌が活発になります。
虫歯の発生や悪化を防ぐためには、食事とおやつの摂取にメリハリをつけることが大切です。
歯ぎしりや食いしばりの影響を軽減
歯ぎしりや食いしばりの対策歯ぎしりや食いしばりは、歯に大きなストレスを与え、歯痛や歯の摩耗、修復物の損傷、歯根の破折など多様な問題を引き起こします。
歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合、就寝時にマウスピースを使用して歯への負担を軽減することが有効です。
口呼吸の改善
口呼吸の影響口呼吸は、口内が乾燥し、唾液の殺菌作用が弱まるため、細菌の増殖を促進します。また、鼻のフィルター機能がないため、ウイルスや有害物質が直接口腔に入り込むリスクがあります。
これにより、虫歯や歯周病、さらには感染症のリスクが高まります。健康な歯と口腔、さらに全身の健康を守るためにも、口呼吸を改善し、鼻呼吸を心掛けることが重要です。