一般歯科

    「痛みの少ない」虫歯治療

    多くの人々が虫歯治療を考える際、「麻酔やドリルによる痛み」を連想することが一般的です。その結果、虫歯の疑いがあっても、痛みを恐れて歯科医院を訪れない方が少なくありません。
    しかし、当院では痛みの少ない治療に重点を置いており、最新の方法も導入しています。
    今回は、当院における痛みの少ない虫歯治療のプロセスをお伝えします。

     

    治療前のカウンセリングにより緊張緩和を図る

    愛知県丹羽郡扶桑町の歯医者・わだち歯科クリニックの、むし歯治療

    緊張や不安を感じると、痛みをより強く感じる可能性があります。
    これは、不安や緊張が神経を敏感にし、痛みの感覚を増幅させるからです。
    当院では、十分なカウンセリングを通じて患者様の緊張を和らげ、リラックスした状態で治療を受けられるよう配慮しています。

    体温に近い温度の麻酔液注入

    愛知県丹羽郡扶桑町の歯医者・わだち歯科クリニックの、むし歯治療

    麻酔液ウォーマーを使用し、麻酔液を人肌程度に温めてから注入します。これにより、注入時の痛みを軽減します。

    電動麻酔機を使用した均一な注射

    愛知県丹羽郡扶桑町の歯医者・わだち歯科クリニックの、むし歯治療

    電動麻酔機を用いて一定速度で麻酔液を注入します。これにより、注射時の不快感や痛みを減らします。

    最も細い注射針の使用

    愛知県丹羽郡扶桑町の歯医者・わだち歯科クリニックの、むし歯治療

    市販されている中で最も細い「33G」の注射針を使用し、ほぼ無痛の注射を目指します。

     

    これらの方法を通して、当院では患者様が安心して治療を受けられるよう心掛けています。
    →痛みの少ない歯科治療について、詳しくはこちら

     

    「できるだけ削らない」虫歯治療

    愛知県丹羽郡扶桑町の歯医者・わだち歯科クリニックの、むし歯治療

    わだち歯科クリニックでは、「できるだけ削らない」という治療方針を採用しています。

    昔の虫歯治療法では、虫歯部分を広範囲に削り、金属やプラスチックの詰め物や被せ物で修復することが一般的でした。これは、虫歯菌が残留すると詰め物や被せ物の下で増殖する可能性があるため、必要とされていました。また、削る部分がなくなれば、最終的には抜歯が必要になるケースもありました。

    歯科治療は近年、大きく進化しており、以前に比べて虫歯を削る量を減らしても再発を防げるようになりました。
    これを「ミニマルインターベンション(MI)」と呼びます。長期的に自分の歯を健康に保つため、特に高齢になっても自分の歯で生活できるよう、できるだけ歯を削らないことが重要です。

    →極力抜かない・削らない治療について、詳しくはこちら

     

    虫歯の進行レベルとその治療法

    虫歯は進行の程度に応じて、軽度から重度まで5段階に分類され、それぞれの段階には適切な治療法があります。
    虫歯の進行度は、カリエス(caries)という用語と数字の「0~4」を組み合わせて表現されます。
    以下では、各進行レベルに応じた虫歯の治療法について詳しく説明していきます。

     

    C0/C1 - 初期段階の虫歯:脱灰とエナメル質の虫歯

    愛知県丹羽郡扶桑町の歯医者・わだち歯科クリニックの、むし歯治療

    C0は虫歯の最初期段階で、ここでは歯が虫歯菌の放出する酸によって溶け始める現象、つまり脱灰が起こります。
    C1の段階では、歯の最も外側の部分であるエナメル質が虫歯になっています。
    これらの段階は軽度の虫歯として分類され、痛みや他の顕著な症状がないため、気付きにくいのが一般的です。


    C0/C1段階の虫歯治療

    C0/C1段階の虫歯では、通常、歯を削ることなく治療を行います。
    主な治療法は、歯磨き指導とフッ素塗布を通じて口腔内を清潔に保つことです。
    これにより、唾液が持つ歯の修復機能、すなわち「再石灰化」を促し、虫歯の進行を抑制し、治癒を目指します。
    ただし、虫歯の具体的な状況によっては、歯を削り、歯科用の樹脂で修復する必要が生じる場合もあります。

     

    C2 - 象牙質の虫歯

    愛知県丹羽郡扶桑町の歯医者・わだち歯科クリニックの、むし歯治療

    C2レベルの虫歯は、最外層のエナメル質が完全に溶かされ、より深部にある象牙質にまで虫歯が進行した状態を指します。
    象牙質内には象牙細管が存在し、これらの管を通じて神経に刺激が伝わるため、患者は冷たい物や甘いものに対して痛みやしみる感覚を覚えることがあります。
    象牙質は比較的柔らかいため、虫歯の進行が速やかに進むことが一般的です。このため、C2レベルの虫歯には迅速な治療が求められます。


    C2虫歯の治療法

    C2段階の虫歯治療では、虫歯に侵された部分を丁寧に削除し、その後、樹脂やインレー(小さな詰め物)を用いて歯を修復します。
    この段階の虫歯治療では痛みを伴う可能性が高いため、治療の前には麻酔注射を行うことが一般的です。
    この処置により、患者様が快適に治療を受けられるよう配慮されます。

     

    C3 - 神経に達した虫歯

    愛知県丹羽郡扶桑町の歯医者・わだち歯科クリニックの、むし歯治療

    C3レベルの虫歯は、更に深刻な段階で、虫歯が歯の中心部に位置する神経組織にまで到達している状態です。
    この段階では、虫歯菌に感染した神経が炎症を引き起こし、しばしば患者は何もしていなくても激しい痛みを経験します。
    C3レベルの虫歯を放置すると、歯を失う可能性が高まります。そのため、この段階では迅速かつ適切な治療が必要となります。


    C3虫歯の治療法

    C3段階の虫歯治療には、虫歯に侵された部分の切削と根管治療が含まれます。
    根管治療では、感染した神経組織を慎重に取り除く必要があります。このプロセスの後、歯の形状はかぶせ物を使用して修復されます。
    この治療は、痛みを軽減し、さらなる感染の拡大を防ぎ、歯を保存することを目的としています。

     

    C4 - 歯根のみ残存する虫歯

    愛知県丹羽郡扶桑町の歯医者・わだち歯科クリニックの、むし歯治療

    C4レベルの虫歯は、歯の可視部分が失われ、根部のみが残存している状態です。
    多くの場合、この段階では既に神経が取り除かれているため、痛みは感じられないことが一般的です。
    しかし、歯根の先端部分に膿を伴う病変が発生するリスクがあります。
    このような症状は改善が困難な場合が多く、結果として抜歯が必要と判断されることも珍しくありません。
    C4段階の虫歯は、患者の口腔健康に重大な影響を及ぼす可能性があるため、迅速かつ適切な診断と治療が必要です。


    C4虫歯の治療法

    C4段階の虫歯に対する治療は、状況に応じて異なります。
    改善の可能性がある場合、根管治療を再度行い、その後にかぶせ物を作成して歯の機能を修復します。
    このプロセスは、残存している歯根を活用して、歯の構造と機能をできる限り回復することを目的としています。
    しかし、状態が悪く抜歯が避けられない場合は、ブリッジや入れ歯を用いて歯の機能を回復します。
    これらの治療法は、失われた歯を補い、咀嚼能力や発音の質を改善することを目指しています。

     

    根面う蝕:大人の虫歯

    愛知県丹羽郡扶桑町の歯医者・わだち歯科クリニックの、根面う蝕:大人の虫歯治療

    根面う蝕は、特に大人に発生する虫歯の一種で、加齢や歯周病によって歯ぐきが後退し、露出した歯の根元に生じます。この部分はエナメル質ではなく、より柔らかい象牙質で構成されているため、虫歯になりやすく、その進行も速いという特徴があります。

    大人の虫歯の中には、一度治療された部分の再発である「2次う蝕」と、根面う蝕が含まれます。これらは歯を失うリスクを高めるため、特に注意が必要です。

    食べ物が歯に挟まることが多くなったり、時々歯がしみるような感覚を覚えたりする場合、歯ぐきの後退が原因で歯の根元部分が露出している可能性があります。このような症状に気づいたら、定期健診を受け、フッ素塗布などを通じて歯質を強化し、根面う蝕の予防に努めることが推奨されます。

     

    根管治療:歯を守る重要な手段

    愛知県丹羽郡扶桑町の歯医者・わだち歯科クリニックの根管治療

    根管治療は、歯の寿命を守るための重要な治療法です。歯の中心部には神経や血管が通っている場所、つまり「根管」が存在します。虫歯が進行し、この根管に達すると、放置すると歯を抜かざるを得ない状況になることがあります。

    このような状態になった場合に行われるのが根管治療です。この治療では、専用の道具を使って根管内部をきれいに掃除し、清潔な状態に戻します。根管治療は、虫歯の再発を防ぎ、歯を守るための最後の手段とも言えます。正確で丁寧な根管治療は、歯を抜くことを避け、機能を維持するのに不可欠な役割を果たします。

    根管治療のプロセス

    1.神経に達した虫歯に適用

    愛知県丹羽郡扶桑町の歯医者・わだち歯科クリニックの根管治療

    この治療は、虫歯菌が根管にまで達し、重度の状態になった場合にのみ必要とされます。
    軽度や中度の虫歯では行いません。

    2.根管の清掃

    愛知県丹羽郡扶桑町の歯医者・わだち歯科クリニックの根管治療

    根管内は狭く曲がりくねっており、視界が限られるため、特殊な道具を使用して内部を掃除します。

    3.内部の殺菌

    愛知県丹羽郡扶桑町の歯医者・わだち歯科クリニックの根管治療

    掃除の後、根管内に殺菌効果のある洗浄液を流し込み、虫歯菌を徹底的に殺菌します。

    4.セメントの充填

    愛知県丹羽郡扶桑町の歯医者・わだち歯科クリニックの根管治療

    掃除と殺菌後、歯科用セメントを流し込み、虫歯菌の再発を予防します。
    このセメントは殺菌効果を持続させます。

    5.根管の封鎖

    愛知県丹羽郡扶桑町の歯医者・わだち歯科クリニックの根管治療

    根管内部に充填したセメントが固まれば、根管の治療は完了します。

    6.かぶせ物の装着

    愛知県丹羽郡扶桑町の歯医者・わだち歯科クリニックの根管治療

    最後に、金属やセラミックの被せ物を封鎖した部分に装着し、歯の形状を元に戻します。
    根管治療は、神経に達した重度の虫歯に対して行われ、歯を救い、その機能を維持するための重要な手段です。

     

    虫歯治療後の痛みについて

    愛知県丹羽郡扶桑町の歯医者・わだち歯科クリニックの根管治療

    虫歯治療後に歯が痛む、またはしみるという症状は、一般的に治療中に神経の近くまで歯を削ったことに起因します。このような場合、口腔内の刺激が神経に伝わりやすくなり、治療完了後も一時的に痛みを感じることがあります。

    心配なくても大丈夫です。時間が経過すると、「第二象牙質」が形成され、これによって痛みは自然と軽減または消失します。

    この時期、痛みを増幅させないために、刺激を与えないよう注意して生活することが推奨されます。痛みが継続する場合は、再度歯科医に相談することが良いでしょう。

     

    虫歯治療後の痛みの原因と痛みが緩和されるメカニズム

    虫歯治療前

    愛知県丹羽郡扶桑町の歯医者・わだち歯科クリニックの根管治療

    虫歯を除去する際、広がりを防ぐために虫歯よりも少し広範囲を削除します。
    神経の近くまで虫歯が進行している場合でも、可能な限り神経を保持するように治療されます。

    虫歯治療直後

    愛知県丹羽郡扶桑町の歯医者・わだち歯科クリニックの根管治療

    虫歯は完全に取り除かれますが、詰め物と神経の距離が近くなります。
    その結果、外部からの刺激が神経に伝わりやすくなり、痛みや歯のしみる感覚が発生することがあります。

    第二象牙質の形成

    愛知県丹羽郡扶桑町の歯医者・わだち歯科クリニックの根管治療

    神経に適度な刺激が継続すると、歯は防御反応を示し、神経を保護するために新たな象牙質(第二象牙質)を生成します。
    この第二象牙質が形成されることにより、詰め物と神経との距離が増し、結果として痛みが感じにくくなります。

     

    虫歯の放置が招くリスクと合併症

    虫歯の放置は、以下のような健康上のリスクや合併症を引き起こす可能性があります

    歯原性菌血症

    虫歯菌が口内の傷口から血流に入り込み、体中を巡ることで引き起こされる病気です。
    すぐに重篤な状態にはなりませんが、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞のリスクを高める可能性があります。

    骨髄炎

    進行した虫歯が顎骨の骨髄にまで及ぶと、骨髄炎を発症することがあります。
    この病気は強い痛みや吐き気を伴い、治療には場合によって入院が必要になることもあります。

    蓄膿症(副鼻腔炎)

    上顎の虫歯を放置すると、鼻の副鼻腔にまで細菌が広がり、蓄膿症(副鼻腔炎)を引き起こすことがあります。
    この状態は鼻詰まりや呼吸の困難、頭痛や顔面の痛みなど様々な症状を引き起こします。

    これらのリスクを避けるためにも、虫歯の早期発見と治療が非常に重要です。虫歯が疑われる場合や歯に不快感がある場合は、早めに歯科医院で診察を受けることをお勧めします。

     

    虫歯が急に痛み出した際の応急措置

    1.冷たいもの・熱いものを避ける
    虫歯の初期段階では冷たいもの、末期では熱いもので痛みが増すことがあります。
    痛みを悪化させないためにも、これらを避けましょう。

    2.市販の痛み止めを服用
    ロキソニンS、バファリン、イブなどの市販の痛み止めがある場合は、用法・用量を守って服用して痛みを和らげましょう。

    3.痛い部分を冷やす
    歯内の血流が増えて神経を圧迫する場合、痛む部分を間接的に冷やして血流を落ち着かせると痛みが緩和されることがあります。
    ただし、冷たいもので痛みが増す場合は注意が必要です。

    4.口腔内を洗浄する
    食べ物の残りが原因で神経が圧迫されていることもあります。
    常温の水でうがいをし、丁寧にブラッシングすることで痛みが緩和される可能性があります。
    フロスを使用する際も刺激を与え過ぎないように注意しましょう。

     

    これらは一時的な応急処置であり、虫歯が治癒したわけではありません。
    痛みが和らいでも、さらなる症状の悪化を防ぐため、できるだけ早く歯科医院で適切な治療を受けることが重要です。
    放置すると状態が悪化し、抜歯が必要になる場合があります。

     

    虫歯治療・根管治療に関するQ&A(よくある質問)

    Qどうして虫歯になるのですか?
    A虫歯は、お口の中に存在する細菌によって引き起こされます。これらの細菌は飲食物の糖分をエネルギー源として利用し、その過程で酸を生成します。この酸が歯を溶かす現象を「脱灰」といいます。これが虫歯の始まりです。通常、私たちの唾液には、溶け始めた歯を修復する「再石灰化」というプロセスがあります。しかし、脱灰と再石灰化のバランスが崩れ、歯の修復が間に合わなくなると虫歯が進行します。
    Q治療した歯が再び虫歯になるのはなぜですか?
    A治療した歯が再び虫歯になる理由にはいくつかの要因があります。まず、経年劣化や咬み合わせによる摩耗で、かぶせ物や詰め物と歯の間に隙間が生じることがあります。この隙間から細菌が侵入し、再発することがあります。また、歯周病や加齢によって歯ぐきが下がり、かぶせ物の境目部分が露出することもあります。この部分がブラッシングなどで摩耗し、虫歯菌が侵入して感染することもあります。治療した歯は、特に注意深いケアが必要です。
    Q虫歯を放置していたら痛みがなくなったのですが、どうしてですか?
    A虫歯を放置すると、虫歯が進行し神経が弱まったり、最終的には死んでしまったりすることがあります。このため、一時的に痛みが感じられなくなることがあります。しかし、これは虫歯が治ったことを意味せず、実際には虫歯がさらに進行している状態です。痛みがなくなっても、虫歯が進行している限り、その影響は歯や周囲の組織に拡大し続けます。そのため、できるだけ早く歯科医院で治療を受けることが重要です。放置すればするほど、状態が悪化し、最終的には抜歯が必要になる可能性が高まります。
    Q根管治療は痛いですか?
    A根管治療は、通常局所麻酔を使用して行われるため、治療中の痛みはほとんど感じられません。麻酔によって、歯を削る、神経を取り除くなどの処置が行われても、患者様が痛みを感じることはほぼないです。ただし、麻酔の効果が切れた後に少しの違和感や軽度の痛みを感じることがありますが、これは一般的には比較的短時間で落ち着きます。もし麻酔が切れた後に強い痛みを感じる場合は、歯科医師に相談することが重要です。
    Q根管治療で神経を抜いた歯がその後痛くなることはありますか?
    A根管治療で神経を抜いた後、一時的に違和感や痛みを感じることはあります。この痛みは、治療直後の数日間に最も発生しやすいですが、通常は一時的なものです。さらに、抜神経した歯は感覚がなくなるものの、歯根の周辺には他の神経が存在するため、これらの部分に炎症が起きると痛みを感じることがあります。また、治療後の適切な口腔衛生管理が不十分な場合や治療が不完全だった場合にも、痛みや不快感が発生する可能性があります。治療後に痛みが持続する場合は、歯科医師に相談してください。

     

    わだち歯科クリニックは、天然の歯を最大限に保存することに重点を置いた治療法を提供しています。
    江南市や犬山市で痛みの少ない虫歯治療をお探しの方、または可能な限り歯を削りたくないと考えている方は、ぜひ当クリニックにご相談ください。
    他院での虫歯治療や詰め物・被せ物に関してセカンドオピニオンを求めることも可能です。
    当院へのお問い合わせ、お待ちしております。

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