永久歯を抜歯しない矯正と比較した、抜歯矯正治療の機能面のデメリットとは?

   

こんにちは、地域のたくさんのお子様が矯正治療で通ってくださっています 扶桑町 わだち歯科クリニックです。

 

今日は矯正治療の内容でブログ更新します。

 

当院が行っているマウスピース型矯正装置を用いた矯正治療法は、極力永久歯を抜かない矯正治療です。

いわゆる非抜歯矯正治療と呼ばれる矯正方法になります。

 

一方で、マウスピース矯正と比較される矯正方法の1つであるマルチブラケット矯正(歯にワイヤーをつけて歯を動かす方法)では永久歯を4本抜歯して行うことも多い方法で、こちらは抜歯矯正治療となります。

非抜歯でワイヤーで矯正できることも無くはないですが、多くの場合は抜歯が必要になります。

 

では歯並びをきれいに整えるために永久歯を抜いてしまうということに果たして問題点は無いのでしょうか?

今日はそのことについてブログで書いてみようと思います。

 

 

※マルチブラケット矯正

 

1. はじめに

歯列矯正は、美しい歯並びや健康な口腔環境を実現するために、多くの人が選ぶ治療法です。

中でも、抜歯矯正と非抜歯矯正の2つのアプローチがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

抜歯矯正は、歯のスペースを確保するために通常4本の永久歯を抜く治療法のことです。

今回はこの治療法の機能面でのデメリットに焦点を当て、非抜歯矯正と比較してどのような影響があるのかを探っていきます。

 

抜歯矯正のデメリット=永久歯の本数が少なくなる

 

だけではないんです。

 

 

2. 抜歯矯正と非抜歯矯正の違い

まず、抜歯矯正と非抜歯矯正の基本的な違いを理解することが重要です。

抜歯矯正は、スペースが不足している場合に歯を抜いて歯列を整える方法です。

一方、非抜歯矯正は、歯を抜かずに歯列を矯正するために、歯列の拡大やその他の方法を用いることが一般的です。

これらのアプローチは、歯列の美しさや安定性に影響を与えるだけでなく、口腔機能にも大きな影響を及ぼします。

 

 

3. 口腔機能への影響

抜歯矯正によって、咬合力や口腔周囲筋の機能がどのように変化するかについて考えてみましょう。

※咬合力:こうごうりょく 咬む力のこと

 口腔周囲筋:こうくうしゅういきん 口の周りの筋肉のこと

 

咬合力の低下


抜歯矯正による歯の本数の減少は、咬合力に直接的な影響を与えることが知られています。

特に、噛む力(咬合力)が減少し、硬い食べ物を咬む能力が低下することが懸念されています。

ある研究では、

抜歯矯正を受けた患者の咬合力が、非抜歯矯正を受けた患者と比較して平均して10-20%減少することが報告されています。

 

この減少は、歯が少なくなることで咬合面積が減り、噛む際の力の分散が効率的に行えなくなることが原因とされています。

 

 

口腔周囲筋の機能低下


また、抜歯矯正により歯のスペースが変化することで、口腔周囲筋、特に口唇や頬の筋肉の機能にも影響が出ることがあります。

歯の位置が変わることで、これらの筋肉が適切に機能しなくなり、結果として筋肉のバランスが崩れることがあります。

例えば、ある研究では、抜歯矯正後の患者が非抜歯矯正後の患者と比較して、口唇閉鎖力が低下し、発音や表情に影響を及ぼす可能性があることが示されています。

 

 

4. 研究データと論文の紹介

ここでは、抜歯矯正と非抜歯矯正における口腔機能の変化に関する具体的な研究データと論文を紹介します。

 

研究1: 咬合力の比較

2010年に発表されたある研究では、抜歯矯正と非抜歯矯正を行った患者の咬合力を比較しました。

この研究では、抜歯矯正を受けた患者の咬合力が平均して15%減少しており、特に大臼歯の咬合力の低下が顕著であったと報告されています。

この結果は、抜歯による咬合面積の減少が原因と考えられています。

 

研究2: 口腔機能の変化

2020年に発表された別の研究では、抜歯矯正後の咀嚼機能や発音機能の変化を調査しました。

この研究では、抜歯矯正を受けた患者の多くが、非抜歯矯正を受けた患者と比較して、食物の咀嚼効率が低下し、発音の明瞭さにも影響が出ていることが示されています。

特に、上下の前歯の抜歯が発音に与える影響が大きいことが指摘されています。

 

5. 抜歯矯正を選択する際の注意点

抜歯矯正には、スペース不足を解消し、理想的な歯並びを実現するというメリットがありますが、その一方で、口腔機能に与える影響を考慮することも重要です。

治療法を選択する際には、患者の個々のニーズやライフスタイルを十分に考慮し、可能であれば機能面でのデメリットを最小限に抑える方法を検討することが求められます。

例えば、歯列拡大装置の使用や筋機能訓練などが、機能面でのデメリットを軽減する方法として考えられます。

 

 

6. まとめ

抜歯矯正は、歯列矯正の一つの有効な方法ですが、口腔機能に対する影響を無視することはできません。

特に、咬合力の低下や口腔周囲筋の機能低下が見られる場合、患者にとって長期的なデメリットとなり得ます。

そのため、治療法を選ぶ際には、短期的な美しさだけでなく、長期的な口腔機能の維持にも目を向けることが重要です。

最適な治療法を選ぶことで、機能と美しさを両立させ、より健康的な口腔環境を実現しましょう。

 

 

今日は以上です。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 



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