≪歯周基本検査≫ の重要性

      2024/07/17

こんにちは、成人の方の歯周治療や子どもの口腔機能管理を取り組んでいる

扶桑町の歯医者 わだち歯科クリニックです。

 

今日は歯周治療で行われる

歯周基本治療

について書かせていただきます。

 

歯科医院で定期的に行われる検査の一つに「歯周基本検査」があります。

この検査は、歯周病の有無や進行度を把握し、適切な治療計画を立てるために非常に重要です。

今回は、歯周基本検査とは何か、なぜ行うのか、どんな利点があるのか、そして保険診療における重要性について詳しく解説します。

※今回のブログはいつものブログよりも少し内容が専門的な難しい話になるかもしれません。

 

 

歯周基本検査とは?

歯周基本検査は、歯周病の診断と治療計画のために行われる一連の検査です。

具体的には、以下の項目が含まれます。

 

①歯周ポケットの測定

 歯と歯ぐきの間の溝(ポケット)の深さを測定します。

プローブと呼ばれる専用の器具を使って、各歯の周囲を測ります。

ポケットの深さが深いほど(つまりプローブが深く入っていくほど)、歯周病が進行している可能性が高いです。

 

 

 

 

②歯肉の状態確認

歯ぐき(以下、歯肉と書きます)の腫れや出血の有無をチェックします。

健康な歯肉はピンク色で引き締まっていますが、炎症がある場合は赤く腫れていたり出血しやすくなります。

(つまりご自宅で歯ブラシで歯肉から出血するのは、歯肉が炎症しているということです)

 

③歯の動揺度の評価

歯がどの程度動くかを確認します。

歯が動く場合、歯周病が進行している可能性があります

 

④歯垢・歯石の付着状態の確認

歯の表面や歯周ポケット内に付着している歯垢や歯石の有無を確認します。

これらは歯周病の原因となるため、適切に除去する必要があります。

 

⑤レントゲン撮影:

必要に応じて、歯と歯を支える骨の状態を確認するためにレントゲンを撮影します。

骨の減少が見られる場合、歯周病が進行していることを示します。

 

 

 

 

 

歯周基本検査を行う目的

歯周基本検査の主な目的は、歯周病の早期発見と適切な治療計画の立案です。

歯周病は初期段階では自覚症状がほとんどないため、定期的な検査が重要です。

歯周病が進行すると、歯を支える骨が減少し、最終的には歯が抜け落ちることもあります。

そのため、早期に発見し、適切な治療を行うことで、健康な歯を長く維持することができます。

 

 

歯周基本検査の利点

歯周基本検査には多くの利点があります。以下にその一部を挙げます。

 

①早期発見と早期治療

歯周病を早期に発見することで、治療の効果が高まり、進行を防ぐことができます。

早期治療は、治療期間や費用を抑えることにもつながります。

 

②治療計画の立案

検査結果をもとに、患者一人一人に適した治療計画を立てることができます。

これにより、効果的かつ効率的な治療が可能となります。

 

③経年的変化に対する正確な診断

こまめに同じ検査をすることで過去と今との比較ができるようになります。

「今と半年前とで歯ぐき(歯周病)の変化があるのか」

1年前と今では? 3年前とは??

 

過去との比較をするためには当然過去のデータが残っていないとできません。

歯周基本検査をすることでそういうことがしやすくなります。

つまり、言葉はよくありませんが状態の〈管理〉ができるようになるわけです。

 

 

 

 

保険診療における歯周基本検査の重要性

日本の保険診療制度において、歯周基本検査は非常に重要な役割を果たしています。

特に、スケーリング(歯石の除去)やルートプレーニング(歯根面の清掃)といった歯周基本治療を保険で行うためには、この検査が欠かせません。

以下にその理由を詳しく説明します。

 

①正確な診断と治療計画

歯周基本検査を行うことで、歯周病の進行度や範囲を正確に把握できます。

これにより、適切な治療計画を立てることができ、無駄な治療や過剰な治療を避けることができます。

保険診療では、限られた資源を効率的に使うためにも、正確な診断が求められます。

 

②保険適用の条件

歯周基本検査は、保険診療でスケーリングなどの歯周基本治療を受けるための前提条件となっています。

この検査を受けなければ、保険での治療が認められないため、費用が自己負担(自費診療)となります。

これは、保険制度の中で適切な診断と治療を確保するための措置です。

 

③治療の効果測定

歯周基本検査を定期的に行うことで、治療の効果を測定し、治療計画の見直しを行うことができます。

これは、保険診療においても重要な要素であり、効果的な治療を継続するための基盤となります。

 

④患者の健康管理

歯周基本検査を通じて、患者は自分の歯周病の状態を正確に把握できます。

これにより、患者自身が口腔ケアの重要性を理解し、日常的なケアに努めるようになります。

保険診療では、予防的なケアの促進も重要な役割を果たしており、歯周基本検査はその一環として機能します。

 

 

まとめ

歯周基本検査は、歯周病の早期発見と適切な治療のために欠かせない検査です。

特に保険診療においては、この検査を受けないとスケーリングなどの歯周基本治療を保険で受けることができません。

定期的に検査を受けることで、健康な歯を長く維持し、口腔内のトラブルを未然に防ぐことができます。

 

ぜひ定期的な歯科検診を受け、健康な口腔内環境を保つために、歯科医院での検査とケアを定期的にして下さいね。

 

 

今日はいつものブログより少し専門的で難しかったと思いますが、最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

 

 

 

 

 



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