残存歯数と認知症リスクの関係

      2024/07/05

こんにちは。

扶桑町 わだち歯科クリニック は近隣の総合病院とも密な連携を普段より取らせていただいております。

 

いわゆる最近よく言われている[医科歯科連携]というやつです。

 

お口の中の状況(歯周病歯槽膿漏)と生活習慣病って、病気によっては大きく関連するんです。

 

今日は生活習慣病ではありませんが、認知症とお口の中の関連性についてブログ書いてみます。

 

今後、[歯周病と糖尿病]についてや[歯周病と関節リウマチ]についてもブログで書こうと考えております。

もしご興味持っていただけたら、今後も時々当院HPチェックしていただけたら嬉しいです!(^^)!

 

 

近年、多くの研究でお口の中の衛生状態と全身の健康の関連性が注目されています。

その中でも特にいろいろな論文やデータが頻繁に発表されていることの1つが、残存歯数と認知症リスクの関係です。

※残存歯数=お口の中に残っている歯の本数のことです

 

 

残存歯数が少ない人ほど認知症リスクが高まるという研究結果が複数報告されており、そのメカニズムや原因についてもさまざまな視点から検討されています。

今回のブログでは、具体的な論文や統計データを交えながら、この関係について詳しく解説します。

 

 

 

残存歯数と認知症リスクに関する研究

ある研究によれば、残存歯数が少ない高齢者は認知症リスクが高いことが示されています。

例えば、2017年に発表された日本の研究では、65歳以上の約5,000人を対象に10年間にわたる追跡調査が行われました。

その結果、歯の本数が少ない人ほど認知症発症リスクが高くなることが明らかになりました。

この研究では、残存歯が20本以下の人は、20本以上の人と比較して認知症発症リスクが約1.5倍高かったと報告されています。

 

また、2020年に発表されたアメリカの研究でも同様の結果が得られています。

この研究では、約4,000人の高齢者を対象にした調査が行われ、残存歯数が少ない人ほど認知機能の低下が顕著であることが確認されました。

特に、歯を失うことが多い70歳以上の高齢者において、歯の喪失と認知機能低下の関連が強く見られました。

 

 

なぜ残存歯数が少ないと認知症リスクが高まるのか

残存歯数が少ないと認知症リスクが高まる理由はいくつか考えられます。

その中で特に注目されているのが以下の要因です。

 

栄養状態の悪化

歯を失うことで、硬い食べ物や噛む力が必要な食べ物を避けるようになり、栄養バランスが崩れがちになります。

例えば、肉や野菜、果物などの重要な栄養源を摂取するのが難しくなり、結果としてビタミンやミネラル、抗酸化物質の不足を招くことがあります。

これが、脳の健康に悪影響を及ぼし、認知症リスクを高めると考えられています。

 

社会的交流の減少

歯の喪失は発音や咀嚼に影響を与え、会話や食事の際に自信を喪失する原因となります。

これにより、社会的な交流が減少し、孤立感やうつ状態が増加することがあります。

孤立やうつは、認知症のリスクファクターとして知られており、これが認知機能低下に繋がると考えられます。

 

慢性的な炎症

歯周病などの口腔内の慢性的な炎症が、歯の喪失に繋がることがあります。

この炎症は、血流を通じて全身に影響を及ぼし、特に脳にも影響を与えることがあります。

慢性的な炎症は、アルツハイマー病などの認知症のリスクを高める一因とされています。

 

 

予防策と対策

口腔衛生の維持は、認知症予防の一環として非常に重要です。

以下に、実践できる予防策をいくつか挙げます。

 

定期的な歯科検診

定期的な歯科検診を受けることで、歯や歯茎の健康状態をチェックし、早期に問題を発見して対処することができます。

特に歯周病の早期治療は、歯の喪失を防ぐために重要です。

バランスの取れた食事

噛む力が弱くなっても、栄養バランスの取れた食事を心がけることが重要です。

柔らかい食材やスムージーなど、歯に負担をかけずに栄養を摂取できる方法を工夫しましょう。

適度な運動と社会活動

適度な運動や社会活動を通じて、全身の健康とともに精神的な健康も維持することが大切です。

地域のコミュニティ活動に参加したり、趣味のサークルに参加するなどして、積極的に人との交流を持つよう心がけましょう。

 

 

まとめ

残存歯数が少ないことと認知症リスクの増加には、深い関連があることが多くの研究で示されています。

栄養状態の悪化や社会的交流の減少、慢性的な炎症などがその主な要因とされています。

口腔衛生の維持は、単なる歯の健康だけでなく、全身の健康、特に認知機能の維持においても非常に重要です。

定期的な歯科検診やバランスの取れた食事、そして積極的な社会参加を通じて、認知症リスクを低減する努力を続けましょう。

 

 

 



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