上唇小帯についての診断および処置

   

今日は、上唇小帯 について書いてみます。

 

上唇小帯:じょうしんしょうたい、 と読みます。何のことかというと、大人も子供もですが上唇と歯ぐきをつなぐスジがあります。

 

文字では分かりづらいと思いますので、画像を1つ載せますね。

 

上唇小帯画像

 

画像を見ると、上の前歯2本の歯と歯の間付近に縦に(三角形っぽい?)スジがあるのがお分かりでしょうか?

 

それが上唇小帯(じょうしんしょうたい)と呼ばれるものです。

 

乳幼児期の健診(地域によって1歳半健診や2歳児健診、3歳児健診など異なります)で指摘され、歯科医院を受診される子供さんがよく見られます。

 

健診で指摘されるときは、その上唇小帯(以下、小帯と書いていきますね)の位置異常(付着異常)という診断名で指摘されます。異常といってしまうと大げさな感もありますが、“スジの位置が良くありませんよ”と指摘を受けるわけです。具体的にはそのスジの長さが長いと(子供によってはそのスジが前歯の裏側の歯ぐきにつながっていることもあります)指摘を受けます。

 

 

指摘を受けたらどうするの? ~上唇小帯の処置方法~

 

そういう健診で指摘を受けたり、保護者の方が仕上げ磨きをしていて心配・疑問を感じた時は、まずはかかりつけの歯科医院(かかりつけが無い場合は近隣の歯科医院)を受診し確認してもらってください。

 

ただ(当院の場合ですが)、5~6歳までは経過観察の場合がほとんどです。

 

特に3歳未満のお子様の場合は、顔がまだ縦にも横にも成長します。その結果、小さい頃はスジの長さが長かったとしても、成長するに従ってスジの位置も正常なところ(問題ない位置)になっていくことも非常に多く見られます。

 

また、特に3歳以下の子供の場合は、活発に活動しだして、転んだ拍子にスジが切れてしまう、その結果スジの位置異常も無くなってしまう、といった“アクシデント”も起こり得ます。

 

※転んでスジが切れると出血します。出血がすぐおさまったとしても、切ったその日のうちが無理だとしても近日中には歯科医院で確認を取るようにはしてください。

 

 

成長を待っても位置に改善が無い場合は・・・

 

子供の心身の成長を待っても改善が無かった場合はどうすれば良いかを次に書いていきます。そもそもまず先に、改善が無かった場合何が問題があるかから書いていきます。

 

位置異常に改善が無いと起こりうる問題点

将来的に出てくる永久歯の前歯の歯並び に影響を及ぼすことがあります。

 

本来なら歯ぐきの中にある永久歯が時期が来たら下方へ出てくるのですが、スジが長いままだとそのスジを避けるように永久歯が出てくるため、八の字のような状態に前歯がなることがあります(斜めに永久歯が出てくるイメージです)。

 

改善方法・処置方法

スジが長いままで歯並びに悪影響を及ぼす可能性がある場合は、当院の場合はその旨を保護者の方に説明させていただきます。

 

保護者の方が歯並びが悪くなることを気にされる場合には処置することを推奨します。この場合の処置とは、長い状態のスジを切開します。メスで切る処置をします。

 

メスで切る処置は当院では、永久歯が出てくる直前ですると考えています(あくまで当院の見解・考えなので、歯科医院によっては診断基準は異なります)。仮に長かったとしても、その長いスジを切ってしまえば、その後は永久歯はきれいに出てきます(小帯の位置異常だけで他に原因・問題が無ければ、ですが)。

 

よければ参考にしてください。

 

でも子供の小帯を見て気になっていたり健診で指摘された場合は、まずは歯科医院に行ってみて下さいね。

 

 

 

 

 

 

 



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