銀歯のリスク

投稿日:2018年5月22日

カテゴリ:大人向けの歯のお話

今日は、保険治療で使われる銀歯について、その中で銀歯のリスクについて書いてみたいと思います。

 

歯が痛くなり歯科医院へ行き、特に何も考えず銀歯で治したら、その銀歯が再度虫歯になり再治療、、、というようなことを繰り返している方いらっしゃいませんか?

 

他には銀歯を入れた歯の周りの歯(隣の歯)が新たに虫歯になり治療をした結果、どんどん奥歯が順々に銀歯に変わっていってしまった、、、と感じたことある方はいらっしゃいませんか?

 

「銀歯以外の詰め物やかぶせものは自費(保険外治療)になってしまうから、保険内の治療でいいや」

「別に銀歯でも見た目気にならないから興味ないわ」

 

そんな風に安易に治療材料を決めてしまっていませんか?

 

虫歯治療を受ける際、きちんと銀歯の利点と欠点の説明を受けましたか??

 

当院にお越しいただいた方に虫歯治療をする時に「今までの歯科医院さんで、銀歯のメリット・デメリットの説明って聞いたことありますか?」と尋ねると「はい」と即答した方は一人もいらっしゃいません。

 

そして過去には当院でも「もっときちんと銀歯の欠点の話をしてくれていたら、きちんと考えたのに・・・」と患者様からご指摘をいただいたこともあります。

 

なので当院ではきちんと情報の提供をして詳細を希望する方には説明をさせていただくようにはしています。

 

 

※※当院では材料の説明はきちんとさせていただきます。ただその後に何を選ぶかはもちろん患者様の自由です。強引に保険外材料を勧めたりはしませんので、ご安心ください※※

 

 

ちなみにですが日本で銀歯と呼ばれているものは、金と銀とパラジウムなどの合金で(その中でもこの3つの成分が多くなっています)、日本にしかないものです。

 

国民皆保険制度のために最低限の歯の機能の回復ができる、安価で加工しやすい銀歯がすごい昔にできました。

 

ですが最近はこの銀歯における悪影響もよく指摘されるようになっています。

 

 

(質の良い材料に比べ)かぶせた歯がまた虫歯になる

 

銀歯と歯は、歯と金属をくっつける接着剤でつけるのですが、正確には歯と金属との隙間をセメントと我々が呼ぶ接着剤で埋めて、セメントと銀歯の摩擦力でくっついています。

 

銀歯の大きな欠点の1つが、歯と比較して硬さが大きく違う点が挙げられます。

 

歯の硬さと銀歯の硬さが全然違うため、毎日上下の歯で食事をしていると、歯がすり減っていくスピードと銀歯がすり減っていくスピードに差が生じます。

 

その結果、歯と銀歯のふちに隙間や段差が生じてしまうのです。

 

そこから虫歯の原因菌が入り込み、銀歯の中が虫歯になってしまいます。

 

中のセメントも劣化してくるので、古い銀歯の中は気づいたら(銀歯を外したら)真っ黒になっていた、なんてこともしょっちゅうです。

 

銀歯の下の虫歯はレントゲン写真にも写らないことも多く、なかなか発見しにくいのも事実です。

 

さらに神経が無い歯は虫歯が大きくなってしまったとしても症状も出ないため、しばらく歯科医院に行っていなかったら、歯を残せないくらいボロボロになっていて歯を抜かなくてはならない、こともよくあります。

 

保険の銀歯を選択された方には、このようなことを避けるために考えて欲しいのが、歯科医院での定期検診です。

 

一方、セラミック系の材料(かぶせものや詰め物)は歯やセメントとの相性がよく、とてもきれいに接着するため(セラミック専用の接着剤を用いる歯科医院もあります)、銀歯に比べて再び虫歯になるリスクは格段に少なくできます。

 

またセラミックではないのですがゴールド(金歯)は、銀歯のように歯と金属の硬さが全然違うために虫歯になってしまった、ほとんどありません。

 

ゴールドと歯の硬さが極めて近いからです。

 

なのでゴールドはセラミックとは違った理由で虫歯になりにくい材料になります。

 

 

(質の良い材料に比べ)歯周病が悪化しやすい

 

銀歯の表面は傷がつきやすく、そのできてしまった傷に菌は蓄積しやすい傾向があります。

 

銀歯と歯ぐきの境目にも歯周病の原因菌、虫歯の原因菌など細菌がたまりやすいため、上で書いた通り虫歯にはなりやすくなります。

 

それだけでなく同じ人で比較しても、銀歯が入っていない歯より銀歯を入れた歯の方が歯周病の原因菌がたまりやすいために、歯周病の進行が早まったり、歯ぐきの状態を調べる検査をすると、その検査結果は良くないことがよくあります。

 

奥歯に銀歯を入れて数年したら、歯ぐきが腫れたり歯が動くようになった、というような経験がある人もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

銀歯の周りは特に汚れや細菌がたまりやすいので、ご自宅で歯間ブラシやフロスなども使いきれいに歯を磨き、定期的に歯科医院での健診やクリーニングを受けていただきたいと思っています。

 

銀歯と歯ぐきの境目に磨き残しや細菌が多ければ、当然口臭を発生しやすくなります。

 

 

金属アレルギーを引き起こすリスクがある

 

口の中には細菌が何百億と存在し、銀歯は日々熱いもの冷たいもの、そして食べ物を噛んだ時にはその人の体重と同じくらいの力が歯にかかっています。

 

非常に過酷な環境におかれています。

 

そのため銀歯は非常に劣化しやすく(銀とパラジウムの割合が多いことが劣化をより早くします)、傷つきやすくなっています。

 

また銀歯の表面から金属がイオン化されて溶け出してその結果、金属アレルギーを引き起こす可能性があります。

 

金属アレルギーは口の中の異常だけに限らず、身体全身に異常をきたす可能性があります。

 

手が赤くただれたり、全身にぶつぶつができたりヒリヒリ感じることもあります。

 

銀歯を入れてすぐに異常が出る場合もありますが、何年もしてから体に異常が出てくることもあります。

 

さらには原因不明の皮膚病、違和感が続き色々調べた結果、歯科の銀歯が原因の金属アレルギーだったということもあります。

 

そういう方は、調べなかったら何十年も原因不明の不快症状と捉えて過ごすことになってしまいます。

 

とくに銀歯に含まれているパラジウムがアレルギーを引き起こしやすく、パラジウムに対してアレルギー反応を持つ方は100名中20~30名もいるそうです。

 

 

保険の金属の良いところ・良くないところ

 

保険適用によって日本の歯科の治療は安価で、誰でも受けられる利点もありますが、上記のように様々なリスクもあります。

 

そのリスクをよく理解し、虫歯治療を受ける時は材料を検討して下さい。

 

そしてすでに口の中に銀歯がある場合は、定期的な歯科医院での定期検診と毎日のご自宅での歯磨きを行ってください。

 

日本に来た外国人の方々は

 

「なぜ日本人は身だしなみはきちんと整えているのに、口は銀歯だらけで口の中のことを気にしないのだろう。日本という国自体もきれいなのに。。。」

 

感じることがあると聞いたことがあります。

 

リスクがある銀歯を口の中にたくさん入れているのは、残念ですが日本だけです。

 

 

虫歯ができてしまった《今》だけでなく、治した後のこと≪末来≫にも目を向けられる方が増えることを願っています。

 

 

※※当院では材料の説明はきちんとさせていただきます。ただその後に何を選ぶかはもちろん患者様の自由です。強引に保険外材料を勧めたりはしませんので、ご安心ください※※