歯科からの食育(離乳食)のお話
投稿日:2017年6月23日
カテゴリ:赤ちゃん子育てヒント
今日は《食育》について、0歳~3歳くらいの範囲を中心に書いてみたいと思います。
※来月7月より月1回木曜日に 0歳から3歳くらいまでのお子様の話を中心に院内でお話し会を始めます。
ご興味がもしあれば 《ママ赤ちゃん子育て教室》 のページを見てみて下さい。
歯の萌出と離乳食・幼児食の与え方
※歯が出てくることを 萌出(ほうしゅつ) といいます。
食べる機能は自然に備わるものではありません。学習することで身についていきます。
そしてその学習に最も大切な時期が離乳食(離乳期)だと当院では考えています。
乳歯は生後6~7ヵ月頃から出てきます(毎回このことを書く時に補足するのですが、個人差がありますので、その時期に出てこなくても慌てないでください)。
歯が無い時は舌が口の外に頻繁に突き出ていましたが、歯が生え始めることで舌が口の中に納まり、唇・舌・下顎の協調運動が発達します。歯が生えることで離乳中期食の受け入れができるようになります。
保護者の方の中には、食べるのが遅い・食べ方が上手でない・口から食べ物がこぼれる、、、などの悩みを持たれる方もいらっしゃいます。
もしかすると離乳食を始める時期が早い(早かった)ことが関係しているかもしれません。
乳歯が生えていない状態で離乳食を進めることがそれらの原因になることもよくあります。
奥歯はおおよそ1歳半以降から出始めますが、奥歯が生えていない時期に硬すぎる食品を与えれば、あまり咬まず丸呑みしたり、食べるのに時間がかかったり、口からこぼしてしまうこともあります。
逆に歯が揃った時期に適度な硬さの食べ物を食べさせなければ、咬まない習慣がついてしまいます。
乳幼児期の食べる機能の学習・発達は、学童期以降の食生活・食行動の形成に大きな影響を与えます。
離乳期の食べ方について
ある調査によると、最近の子供の食事の問題として以下のことが挙げられていました。
・食事に時間をかけない子供が多い
・食べ物をあまり咬まない子供が多い
・食事中の水分量が多い子供が多い
また同調査によると、咬まない子供の特徴として
・生活リズムが親のペースになっている
・離乳の完了が早かった
・家族一緒に食べていない
・肥満傾向である
そして親のタイプとして
・子供を急かしすぎる
・母親が忙しすぎる
・父親の保育への参加が少ない
という特徴をあげていました。
子供の食べる姿をチェックしてみて下さい
食事中口を開けたまま食べていませんか?食べている時に舌が見えませんか?
上記症状があるようであれば、以下のことを意識して実践してみて下さい。
・足をしっかり床や踏み台の接地させて姿勢を安定させる
・1回の口に入れる量を減らす
・口を閉じてよく咬んで食べるようにする
・水分で流し込まない
「硬いものを咬みましょう」と言うけれど・・・・
奥歯がしっかり生えていない時期に硬いものを無理に与えれば、丸呑みの習慣がついても決しておかしくはありません。
硬いものを与えるのではなく、咬みごたえのあるものをセレクトして下さい(例えば根菜類など)。
離乳期から野菜など咬みごたえのある食材を積極的に食べていた子供は、小学校入学前の時点で咬む力が平均値を大きく上回ったという調査報告もあります。
咬む力が適度な刺激として働くことで骨の成長を促し、歯や顎を発育させます。それ以外にも脳の働きにとっても重要です。
離乳期の過ごし方が、その後の食べる機能の発達に大きな影響を与えます。ですが、その変化はすぐには現れません。幼児期後半に食べ方の問題として表面化されます。
日頃から子供たちの食べる様子を観察して下さい(でも、神経質にはなりすぎないで下さいね)。
そして「なんか変だなあ」と思ったら、ぜひ専門の先生に尋ねてみて下さい。
※来月7月より月1回 0歳から3歳くらいまでの子供の成長を中心に院内でお話し会を始めます。
ご興味がもしあれば 《ママ赤ちゃん子育て教室》 のページを見てみて下さい。
今日のブログのような離乳食についてもお話しします。
いつかは離乳食についてだけで1時間くらいお話しすることも考えています。
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